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 商標(別枠参照)は、ポロ競技者の図形と盾型図形と2頭の馬の図形とがバランスよく軽重の差なく配置され、一体的な図形と把握されるものであって、ポロプレーヤーの引用図形商標とは別異の商標であるから、被服等の商品の出所についてザ ポロ ローレン社の業務に係る商品、或いは同社と何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く混同を生ずる虞はない、と判断された事例
(平成10年審判第17815号、平成17年4月21日審決、審決公報第66号)
 
1.本願商標
 本願商標は、上に表示した構成よりなり、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く)」を指定商品として、平成6年8月2日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶の理由
 原査定は、登録異議の中立があった結果、「米国のザ ポロ ローレン カンパニーリミテッド パートナーシップ(以下、「ザ ポロ ローレン社」という。)の引用する『POLO』『POLO BY RALPH LAUREN』及び『競技中のポロプレーヤー」よりなる各商標は、被服その他のファッション関連商品について永年使用し、該商標が同人を表すものとして、我が国においても本願商標の出願時には取引者、需要者に広く認識されていたものである。
 そして、本願商標の横成は、中央にポロ競技中のプレーヤーを象徴するごとく大きく描き、その下にチェッカー模様の盾とその左右に馬の輪郭を配してなる図形であり、ザ ポロ ローレン社が使用して周知著名となった『競技中のポロプレーヤー』(以下、「引用商標」という。)とは、両者を比較した場合、差異はあるものの、『ポロ競技中のプレーヤー』という着想を同じくする特徴のあるものであるから、本願商標は、引用商標の著名性、使用に係る商品等を考慮すれば、これをその指定商品に使用するときは、商品の出所について混同を生ずる虞がある。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである


3.当審の判断
 本願商標は、上に示した通り、中央下部に描かれたチェッカー模様の盾型図形(該図形中には交差させたポロ競技のマレットとボールを描いてなる。)の上にポロ競技者の図形を配し、該盾型図形の左右に向かい合う形で2頭の馬の図形を描いてなるものである。
 そして、上記「盾型図形」「2頭の馬の図形」及び「ポロ競技者の図形」は、それぞれバランスよく三角形を形づくるように配置され、いずれの図形部分も軽重の差がないほどに描かれているものであるから、該図形部分のいずれか一つの図形部分を抽出して看取、把握されることはないものと判断するのが相当である。
 してみれば、たとえ、中央上部に描かれた「ポロ競技者の図」において引用商標と共通するところがあるとしても、本願商標全体から受ける印象は前記の通り、各図形がバランスよく配置された一体的な図形と捉えられるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者はザ ポロ ローレン社が被服等に使用して周知著名なポロプレーヤーの図形商標とは別異の商標として認識、把握されるとみるのが相当である。そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、ザ ポロ ローレン社の業務に係る商品、或いは同社と経済的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当でなく取消を免れない。
 その他、本願について拒絶すべき理由を発見しない。  よって、結論の通り審決する。


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鈴木正次特許事務所

最終更新日 '06/4/11